鴨のお尻

 鴨のお尻みたいにならないといけない。
 鴨は水面をスイスイ泳いでいるようで、水の下ではせわしなく足を動かしている。そういう感じに、後ろの下の方、お尻で地面を掴んでいないといけない。これは「人の見ていないところで努力せよ」とかいう精神論とは全然関係ない。精神論は精神論でバカにはできないと思うが。
 この要諦を形で守ろうとすると、いわゆるへっぴり腰になる。へっぴり腰と鴨のお尻の何が違うかと言えば、臀部とハムストリングスの接続だ。わたし個人の勝手な用語で「お尻の付け根」と呼んでいるが、ここが締まり肚の奥とのつながりが切れていなければ、前に力が出せるし、障害があってもズイズイそのまま進めるはずだ。
 感覚としては、お尻の位置が高くなる。自分でお尻だと思っているところより少し上にトップが来る。尻尾がしっかり中に入る。
 まったく余談だが、この尻尾の状態を「うんこ我慢」と表現した人がいたが、その状態ではうんこは我慢できないし漏れると思う。肛門はもっと奥にあるのではないか。本当にどうでもいいけど。
 鴨のお尻の状態になると自然と顔が「関係のない顔」になる。知らんぷりというか、無関心というか。この時、へっぴり腰では顎が出る。尻尾が締まっていれば単に「関係のない顔」になる。首から肩甲骨の間で相手を見る感じである。
 それでもやや鼻先が上がるので不安かもしれないが、腰がある程度低く(低すぎてもいけない)これに伴い身体が傾斜し、肩から腕が上から布をかぶせる感じに高くかぶっていれば、身体の動きで腕が結果的に防いでくれる。防げなかった時に首をひょいひょいしてかわすのは緊急避難であり悪手だろう。
 胸がちょっと無防備な感じになるくらいで正しい。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする