Love & Dogs

 例えばですねぇ、誰かをすごくすごく好きになって、それで幸いにもその人もこっちを好きになってくれて、付き合うことになりました。で、飼っている犬を捨てるかというと、捨てないですよね。当たり前ですけど。
 もし仮に、彼氏を作るなら犬は捨てなければいけない、どっちか一つしか取れません、という世界だとしたらどうでしょう。
 残酷すぎる。
 もしそうだとしたら、すごく苦しんで、たぶん犬を取るでしょうね。だって犬はもういるんですし、わたしがいないと生きていけないじゃないですか。大事ですよ。
 うっかり心が揺れて、犬を段ボールか何かに入れてどこかに置いていこうとしたら、その途端に犬と暮らした日々のたくさんの思い出が蘇って、全力疾走で戻って泣きながら抱きしめてアスファルトに五体投地して謝るでしょうね。何やってんの?という感じでしょうけど、犬的には。
 そんな世界だとしたら、一旦犬を飼ったが最後、男のことなんて視界にも入れないようにしてストイックに生きた方が楽でしょうね。

 じゃあ逆に、彼氏が最初にいたらどうですかね。犬を飼うなら彼氏と別れなさい、という仮定。それならまぁ、普通は犬を飼わないですよね。まだいないんですから。今いる彼氏を優先するでしょ、それは。
 その犬がペットショップにいる子犬じゃなくて、なついてきた野良犬で、正式に飼う前にもちょいちょい餌あげてました、つまり多少なりとも情がありました、としても、やっぱり彼氏優先でしょ。違います?
 ものすごい犬好きで、犬を飼うのが生涯の夢でした!という場合でも、そう簡単に彼氏と別れはしないと思いますよ。別れるかしら。だとしたらその子ちょっと、お友達になりたいですけどね。犬好きの中の犬好きでしょ。血も涙もない犬好き(笑)。
 でもここで、彼氏の方を段ボールに入れて道に置いてくる想像をすると、不思議なことに、犬を置いてくるのに比べると断然泣けませんね。いや、彼氏が段ボールに入っている姿は別の意味で泣けますけど(笑)、「うわあああ、ごめんなさいごめんなさいもうしません!」みたいな感じにはならないですね。犬に比べて彼氏は(大体)自立性があるからですかね。放っておいても死にはしませんし。というか、それで死んじゃうような人は最初から彼氏にしない方が良いと思いますけど。
 と言って、まったくの余談ながら思いついたことを言っておくと、現実には「段ボールに入れて置いていかれると死んじゃいそうな彼氏」というのは、存在しなくもないですね。そういう男をわざわざ選んで付き合う女ってたくさんいますもん。その心理も一定程度はわかりますもん。業の深いものですなぁ。
 まぁわたしは拾いませんけどね。こっちが「段ボールに入れて置いていかれると死んじゃいそう」なタイプなので(意外ですか? 割と死にますよ、段ボールで)。両方そんなんじゃ即死ですから。

 話を戻しますと、そうするとこれ、先着順ってことなんでしょうかね。
 犬・彼氏を問わず、先に座った方で決定、みたいな。
 そうかもしれませんけど、なんかちょっと、違う気もします。だって、犬と彼氏じゃ違うじゃないですか。当たり前ですけど。なんで犬と彼氏両方じゃいけないの!と思うでしょ。そういう理不尽な仮定をしたからなんですけど。そうなんですけど、なんかどこか「んんん~??」というものが残る。なんでしょうね、これ。
 でもねぇ、世の中は実際、理不尽なものですからね。
 理不尽に見えるのがこっちの頭が悪いせいだとしても、そういう風に映る世界に住んでいるのは間違いない。
 その理不尽な世の中で理不尽に耐えて生きるしかない。仕方がない!
 いろいろ、仕方ないです。

 以上! 解説はなし! 知らない!

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